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0516

 雨上がりの夜逃げ処理

 

 事務所の社内掲示板に「天気がいいのでサボります」とメッセージを上げ、昨日と今日は自宅で仕事。

 SKIPの机からは外の景色が見えて気持ちいいが、ボクの家のデスクからも、首都高とレストラン・ノブが見えて気持ちいい。

 暮れていく街の感じは、家の方が上かも。

 

 いまはスタッフと密に仕事するより1人で考える時期なので「これ幸い」と家にいる。

 そうすれば、石のできてしまったタオを、頻繁にオシッコ散歩に連れて行ける。

 

 …が、1日中、タオがうるさくて困った。

 

 理由は隣の部屋の引越し。

 厳密に言えば司法処理。

 

 引っ越してきてから1度も会った事がない隣人。

 すっかり空家なんだと思っていたら、先日、怪しげな男が数人、部屋の出入りをしていた。

 気にはなったけど、聞くほどのことでもないのでそのまま数日…。

 すると隣の部屋のドアに張り紙。

 

 なんと、夜逃げだ。

 

 そして強制執行の日が今日。

 引っ越し屋とは雰囲気の違うおっさんが部屋に入り、どんどん荷物を1Fに降ろす。

 その音がうるさくて、タオが吠えっぱなし。

 エレベーターを待っていると

「すいませんねぇ〜」

 と声をかけられる。

「逃げちゃったんですか?」

「詳しく知らないけど、そうみたいだね」

 

 張り紙に「遺留品売却」ってあるから、荷物を全て出して、お金になりそうなものは全て売却するんだと思う。

 引き取りについては下記に連絡とも書いてあるから、住人は長い間バクれてて、きっと家賃も払ってないんだろう。

 家財道具は差し押さえられているから、勝手に持ち出しちゃいかんと言うわけだ。

 

 マンションの前には大型の清掃車。

 お金になりそうなものはトラックに積み込んで、ゴミはどんどん清掃車にぶち込む凄まじさ!!

 

 タオの散歩でロビーに下りるたびに、運び出された荷物の山が処理されていく。

 荷物から推測するに、隣人は中年以上の夫婦だと思われる。

 ボロい婦人用の寝巻きは、そのまま清掃車へ。

 男物の背広も、そのまま清掃車へ。

 古臭いオルガンは、トラックへ…。

 

 電気のカサまで持ち出していたから、きっと家の中はもぬけのカラになってるはず。

 

 もう戻って来ない覚悟でトンずらしたんだからいいんだろうが、それにしても生活空間にあった全ての物品を、本人不在のまま、強制的に処理しちゃうんだから、司法の力は恐ろしい。

 

 写真とか、思い出のある品物は持ち出したんだろうか?

 ちょっと切なくなったもんね(T_T)