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0917

 NY同時多発テロ

 

 事務所で仕事をしていたら「ニュース見てる?」とジローさんから電話があった。

「見てないよ。何かあったの?」

「アメリカでハイジャックされた民間機がWTCに突っ込んで炎上してる。それにもう1機はペンタゴンに突っ込んだ」

「えっ!? なにそれ!? なに… えっ? ウソ? ホンと? マジ?」

「マジだよ。テレビ見てみ」

 

 そしたら太樹の携帯も鳴って、ほぼ同時にNYテロのことを知った。

 

 速攻でテレビをつけると、どのチャンネルもNYテロのニュース。

 太樹、阿彦、佐代子、田中とボクでテレビにかじり付く。

 仕事は中断。

 そんな場合じゃない。

 

 10分くらいテレビを見ていると、WTCが崩落した。

 

 映画みたいだった。

 映画よりチープなストーリーだと思った。

 悲しみや痛みや怒りより「スゲー」ってのが正直な感想だった。

 ちょっとしてから怖くなった。

 それから虚無感が襲ってきた。

 

 慌てて家に帰り、朝までテレビを観ていた。

 NYにいる友人と連絡とろうとしてもKDDはビジーでつながらなかった。

 教授にメールしたら「大丈夫だけど、近くの病院がまるで戦場みたいだ」とすぐに返信があった。

 

 11日以降、浮き足立っている。

 リアルタイムで真昼間に崩落するWTCを見た影響か、湾岸戦争なんかとは比べ物にならないインパクトだ。

 少し前の新宿ビル火災も衝撃的だったけど、何か遠い昔のことに感じる。

 

 戦争を憎む。

 テロを憎む。

 でも憎しみは必ず悲しみを生む。

 

 アメリカの「アメリカこそが世界標準だ」的な考え方には納得できない。

 

 報復を支持する人が75%という、アメリカ国内の世論調査に愕然とした。

 テロに大喜びしてるパレスチナの子供にも愕然とした。

 

 ゲームで遊んでる場合じゃない気がする。

 ルイージ・マンションやっても、なんか身が入らない。

 

 昭和天皇が崩御するとき、日本中がしんみりしていた。

 テレビでは、一晩中、天皇の容態がテロップで流れ、夜の街の派手なネオンは消され、パチンコ屋から軍艦マーチが消えた。

 目に見える変化はまだないけど、昭和天皇崩御のときより強烈な無力感に、日本全土が包まれている気がする。

 

 世界を、そして地球をダークフォースが覆っている。

 

 たくさんの血が流れ、人が死に、悲しみと憎しみを生み出す方向に事態が向かっている。

 

 アメリカの早期報復に反対する運動に署名した。

 これだけの事態を前にしても、具体的なアクションは署名しかできない自分がいる。