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断酒

 

 木曜日。

 三木さんのセッティングで松三と会う。スクウェアを辞めて以来だから7年ぶりくらいだ。

 お互いあまり変わっていないが、松三も外に出てからダークフォース渦巻く世界でいろいろ経験したらしく、かなり大人になっていた。

 彼が大人になった分、ボクも大人になっている。

 やっぱり会社員やってるのと、外に出て自分でやるんじゃ違うしね…。

 松三はスクウェア組みと付き合いがあるらしく、いろいろな人の近況を聞く。残ってるのも外に出るのも大変みたいだ。

 ボクは完全に縁が切れちゃってるので、懐かしい人の名前が出て楽しかった。

 

 金曜日。

 紙焼き&デジカメの写真を、ごっそり事務所に持って行く。

 ヒカリンの結婚式、ハワイ、花火大会、清田君大会、可愛いタオちゃん、事務所開き、NY、スキー…etc

 前の前の会社で阿彦さんと一緒に仕事してた頃の写真も出てくる。

 阿彦さん、アロハみたいなシャツ着てて若いが、あまり印象は変わってない。

 ついでにボクがモテモテだった(今でもだけど)高校くらいの写真も持って行く。

「ほら、モテモテだったのウソじゃないだろ?」

「うわ〜、骨格が違うじゃん」

「デブ過ぎだよいま」

「整形したの?」

「アイプチ疑惑だね」

「違う人だぜこれ」

 痩せるとモテちゃって困るんだが、どうにも太り気味なので、再び痩せてモテて困ることにした。

 まずは年内に5キロくらい落としてみる。

 

 仕事。

 1人帰り、2人帰りしてくうちに、ボクと阿彦さんだけになる。

 イベント用のコードをガンガン作ってもらいながら、ボクがイベントをガンガン作っていく。

 …と、イニシャルイベントでハングアップする様になった。

 バグが出るほどできてきた証拠。

 そこを修正してもらい、修正してもらったシステムでイベントを書き直すとちゃんと動く。

 分岐系はもう大丈夫みたい。

 

 

 土曜日。

 仕事から戻ったのが10時。

 それから寝て、15時に起きる。

 頭しか使ってないので、徹夜明けだというのに5時間で目が覚めてしまった。

 運動しないと、眠りが浅くて&短くてダメだ。

 

 ヒカルが作った和食を食べる。

 焼き魚、南瓜と小豆の煮物、もやし酢漬け、豚汁。

 美味しい。

 

 イベント書ける状況が楽しくて出社。

 移動系のコマンドもできたので、キャラを移動させてみる。

 部屋の中で目覚めて、外に出てという一連の流れを作る。

 一通り作るので7時間。

 うちメイクが通らなくて悩んでたのが2時間。バグって思うように動かず、その原因究明に2時間くらいかかった。

 実際にイベントをビルドアップしてるのは3時間くらいだから、イベント作るには、それにかかった倍の時間がエラー修正とデバッグに費やされるわけだ。

 さらに自分でチェックしてOKでも、他の人間がやるとまたバグが出る。

 そしてデバッグ&チューニング期間が始まれば、それこそ毎日、バグ取りと修正してんだから、1年のプロジェクトの場合、半年で作って、半年修正してるくらいのバランスなんだと気づく。

 

 このバランスの仕事って、どうなんだろう?

 

 半年で書いて、半年で推敲する作家。

 半年でレコーディングして、半年でミックスするミュージシャン。

 半年で撮影して、半年で編集する映画監督。

 半年で台本上げて、半年で稽古する演出家。

 

 前に作ったものに手を入れるというのは、過去を振り返ることに他ならない。

 Aというイベントを作って、それで終わりならいいけど、そこをプレイしてみると不都合が見えてAを修正する。

 自分としては「Aは完成!」と思っても、デバッグが始まればまた、Aを修正することになる。

 

 ゲームの開発ってのは、写真みたいにどんどん撮ってどんどん終わらせていく仕事とは決定的に違う。

 どんどん作って、どんどん修正して、またどんどん作って、また修正。

 

 立ち仕事&座り仕事とか、肉体労働&頭脳労働とか、仕事の分け方は色々あるけど、ゲーム開発ってのは、振り返るウェイトがかなり多い仕事ってことだ。

 

 

 日曜日、深夜に帰宅して、朝の4時ごろに寝る。

 しかしまた、座ってただけで体が疲れていないので、朝の6時に目が覚めてしまう。

 オープニングイベントが中途半端だったので、それを作りにまた出社。

 平日は午後出勤してるのに、日曜日に朝の7時出勤してる生活の乱れよう(^^ゞ

 こりゃ絶対よくないが、残された時間も3週間なので、このまま乱れまくってみよう。

 

 昼まで仕事してカットに行く。

 日曜日の昼の表参道の美容院はオシャレして髪を切りに来て、そのままショッピングや、お友達とカフェでお茶とか、彼氏とデートとか、映画でも観た後でディナー風な女性率が99%!!

 平日の表参道界隈とは、人種が違っていて緊張する。

 いつも平日の昼過ぎに切りに行くから、店内には男の客もいるが、日曜日の美容院ってのは、女のオシャレエネルギーが渦巻いていて近づくもんじゃない。

 だってみんなカラーリングして、雑誌見ながら「これくらい明るい色がいいわ」とか言ってんだもん、気持ちは分かるが、そんなに誰も彼も全員が、カラーリングして、カットして、ブローしたからって、可愛くなれるわけないじゃん。

 でもまぁ、遊びに行く前に美容院行くって言う、それくらい身だしなみに気を使うってのは可愛いけど…。

 

 カット終わったあとのブローでワックスをつけられそうになるが「家帰って寝るだけだから、なにもつけないで。乾いてればOKなんで…」とボク。

 ほぼ徹夜明けでヨレヨレなのは、店内でボク1人くらいのもんだ(^^ゞ

 

 帰宅。

 あまりに天気がいいので寝る気にもならず、ヒカルと2人でショッピングへ。

 靴に靴下にパンツにシャツを購入。

 ヒカルもパンツと帽子を購入。

 フィットルームで着替える彼女を待つ間は、たいてい店員が「彼女さん、すごいスタイルいいですよね〜。凄い細いし」と話し掛けてくる。

 当然、営業トークでもあんだけど、実際に彼女はスタイルがいい。それに足が長い。パンツ買っても裾上げしないし、ヒカルよりずっと小さな店員と同じサイズのパンツが穿けるし…。

 背が小さいのに同じサイズってことは、店員が太ってるって話しでもあるけど、その店員だって別に太ってはいないから、要はヒカルが痩せてるってことなんでしょう。

 誉められりゃ嬉しいってのは当然のことだけど、どの店に行ってもスタイルがいいって店員に誉められるんだから、ショッピングが楽しいに決まってる。パンツ代のうち200円くらいは「スタイルいいですね〜」という店員の営業トーク代が入っている。

 

 そういや美容室で、隣のお姉さんの客が、前回に来たときの話しをしていた。

 前回は、急に決まったワインパーティーに出席するので、セットを頼みに駆け込んだらしい。

 すると若くて見習の女の子が「○○さん(女の客の担当の美容師)から聞きましたけど、ワインパーティーはどうだったんですか?」とナイスな質問。

 客の女は「え〜、そんなことまで○○(担当美容師)さんから聞いてんだ」と答えるが、顔は(見えないので想像だけど)笑っている。

 

 何で彼女は笑って(想像だけど)いるか?

 

 それは自分がいないところでも、自分の話題が出ているという、自分が主役になっている快楽に他ならない。

「この前、君のこと話してたんだよね」と言われれば、言った男が気持ち悪くない限り、女の心理としては気持ちいいに決まってるもの…。

 

 ボクが思うに人というのはコミュニケーションが好き。

 特に女の人はコミュニケーション好き。

 だからお喋りや長電話が好き。

 内容なんてないに等しい会話が、永遠に繰り返される。

 何か相談されても、具体的に「こうしろ」ってアドバイスが欲しいわけじゃなくて、ただ話しを聞いて欲しいってことが、女の人の場合はままある。

 相談されたんだから「こうした方がいいと思う」とアドバイスの1つでもしたいところだけど、相談してきた当の本人は「相談」という名前に転化したところで話しを聞いて欲しいだけなので、下手にアドバイスなんてしない方がいい。

 こういった場合は「そうなんだ〜」とか「たいへんだったね〜」とか「そりゃ相手が悪いよ」とか「会社辞めちゃえば」とか「そういう上司はサイテーだね」とか「男はたくさんいんだぜ」とか、彼女を傷つけないように、彼女の味方をするように答えておいて、2週間くらい経ってから「そういえば、この間の話しはどうなったの?」と聞いてみるのがベスト。

 そこで状況が好転してれば「やったじゃん!! それじゃお祝いに美味しいものでも食べに行こう。何かご馳走するよ」と、それくらい言えればパーフェクトです。(違ってたらどうしよう)

 

 これをコミュニケーションと呼ぶんだけど、厳密に言えば、コミュニケーションと呼ばれているもののうち半分くらいはコミュニケーションではない。

 それは、言ってみれば、ただの「ねぇ、かまってよ」だったり「私の話しを聞いて」だったりするわけだ。

 

 携帯やメールが流行ってコミュニケーションしてるんだが、そういう仲のいい相手じゃなくても、自分に注目して欲しいとか、自分を見て欲しいという欲求は常にある。

 特に女性はそれが強い。

 それが正常に機能してれば問題ないけど、そういった欲求をうまく解消できない人は、病気になって人の注目浴びてみたり、奇行(突然、会社辞めて留学とか)に走って注目を集めてみたり、手首を切ってみたりする。

 こういった行動は全て「ねぇ、かまってよ」だったり「私の話しを聞いて」っていうサインであり、英語で言えば「May I have your attention please!」っていうことだ。

 

 …で、女の人ってのはその欲求が男よりも強い。

 だから髪の色を変えてみたり、髪形を変えてみたり、パーマかけてみたり、バッグを変えてみたり、ツメにネイルアートしてみたり、口紅の色を変えたり、メイクを変えたりと、小細工してサインを出すことで「ねぇ、かまってよ」だったり「私の話しを聞いて」を解消するわけだ。

 当然、女の人はそういうことに敏感だからサインは見逃さない。

 友達が髪を切れば「あれ? ○○ちゃん、髪切った?」と見逃さずにフォローを入れ、相手の「ねぇ、かまってよ」だったり「私の話しを聞いて」を解消させるが、そんないちいち、誰がどんなメイクしてるとか、どんな髪型してるとか、どんなバッグ持ってるとか見てないし、覚えてもいられないので「男の人って鈍いからサイテー」となる。(ボクか!?)

 

 髪を切ったら「髪を切ったんだ」と報告して欲しい。

 口紅の色を変えたら「口紅の色を変えたんだ」と報告して欲しい。

 

「きょうのわたし、どこかいつもと違くない?」

「あれ… 髪切ったでしょ?」

「ちが〜う」

「あっ、分かった。そのブーツがおニューだ」

「ちが〜う!」

「あっ… 分かった、分かった… 眉毛の形を変えたよね」

「変えてな〜い」

「バッグだ」

「ちが〜う!!」

「えっ… もしかして整形!?」

「してないわよっ!!!」

 

 これが、女の地雷作戦だ。

 

 経験上、放ったらかしてたり、家の掃除とか押し付け続けたり、飲み歩いていると、高確率で地雷作戦が始まる。

 それはまず、メイクをちょっとだけ(それとは分からないくらいに)変えてみたという宣戦布告があり、それに気づかずいるうちに、周り中が地雷だらけという状況に追い込まれ、ちょっとなにかした(要するに何をしても、何を言っても)だけで爆発する仕掛けになっている。

 

 怖い、怖い…。

 

 

 …とまぁ、どうでもいい話しだ(^^ゞ

 今日はショッピング行ったとき「どっちの色がいいと思う?」と聞かれて「絶対に茶色の方がヒカルに似合うって! 茶色の方が髪の色ともマッチしてるよ!!」と、かなりケアした1日だったので、しばらく地雷は踏まなくて済む予定。

 

 読み返したら、すげ〜長いぞ、これ…。

 しかもタイトル「断酒」なのに、断酒のことが書かれてない(^^ゞ

 ボク、今月中は断酒することにしました。

 サンプルが決まったら勝利の美酒に酔うってたくらみであり、11月末まであと3週間なので、この間くらい酒の予定を入れないたくらみであり、モテモテダイエットのためのたくらみでもある。

 

 …とまぁ、これもどうでもいい話しだ。

 …っていうか、どうでもいい話ししかない(^^ゞ

 

 無理やり仕事に関連付ければ、登場する女性キャラには、ボクが知る限りの女性心理をオーバーラップさせることで、キャラに魂を入れるってことです。

 だから女キャラにはボクの女性観がダブるし、村長にはボクの政治観がダブるし、キノコじじいにはボクのキノコ観(?)がダブるし、船乗りにはボクの船乗り観がダブる。

 ここでボクの「観」が一般的であれば、ユーザーも納得してキャラクターに魂を感じてくれるでしょうし、ボクの「観」がずれちゃってれば「こんな奴いね〜よ」と、引かれてしまうわけですね。

 

 

 しかしこんなにテキストを書いてるのは、これは思うに

 if(var[VAR_POKKLE_CONTENTS_START]==0)

 anim(@POKKLE, POKKLE_WAKE)

 wait(@ANIM, POKKLE)

 msg("あ〜\n"今日も地雷を踏まないように\n""頑張っていこう!!\*")

 var(VAR[VAR_POKKLE_CONTENTS_START]=1)

 とかイベントコードを書き続けてるので、誰に文句を言われることなく日本語を書きたい欲求の現われなんでしょう。

 

 仕事に対するストレスじゃなくて、エラーを吐き出さないテキストを書きたいってことだけみたい。

 イベントコードは、メイクかけると「136行目で、ありえない文法で書かれているから、逝ってよし」とかエラーを吐き出すから嫌いだもんね(^^ゞ

 

 

 地雷には気をつけよう!!

 

 じゃね。